背景をぼかしたい人必見!絞り(F値)って何?脱初心者間違いなし!

   

皆さんはカメラの「絞り」を自分で設定したことがありますか?

ジョンくん

「絞り」って言葉はなんとなく聞いたことはあるけど、イマイチよくわかんない…

「なんか明るさが変わるらしい」とか「絞りはボケと関係があるらしい」とか、なんとなく聞いたことがあると思います。カメラの「絞り」を理解できるようになればもう脱初心者間違いなし! 

この記事では、カメラの「絞り」について解説していきます。

そもそもカメラが写真を記録する仕組み

ジョンくん

そもそもカメラってどんな仕組みなんだろう…?

一眼レフやミラーレスはレンズから入ってきた光をイメージセンサーという部品で記録して、画像データ(写真)を記録します。フイルムからイメージセンサーに変わった、という点以外は100年前からこの仕組は変わっていません。

 

そのまま光を通すだけでは写真が明るすぎたり暗すぎたりするので、レンズやカメラ内にある部品で光の量を調整しています。具体的には「シャッター」「ISO感度」、そして今回紹介する「絞り」の3つです。

この3つの要素を撮影者が(もしくはカメラが自動的に)調整することで、カメラのイメージセンサーに当たる光の量を多くしたり少なくしたりしています。

光量を調整する3要素
  • シャッター 
  •  ISO感度
  •  絞り

今回は光量を調整する3要素のうちの一つ、「絞り」についてご紹介していきます。

絞りってどんな部品? 役割は?

絞りはカメラ本体ではなく交換レンズの中にある部品です。

絞りは薄い金属の羽根を数枚組み合わせてできています。この羽根を調整することで中央の穴の大きさを変化させることが出来ます。

シャッターを切ると、光がこの「絞り」を通過します。この穴が大きければ通過する光の量が多くなりますし、小さければ少なくなります。

例を見てみましょう。左の図では、穴がとても小さく、レンズを通過してカメラに入る光の量が少なくなります。一方で右の図では、穴が大きいので光の量は多くなります。

つまり、

周囲が明るい

穴を小さくして通過する光の量を減らす

周囲が暗い

穴を大きくして通過する光の量を増やす

というわけです。ただし、穴を大きくするには限界があります(のちほど説明します)。

ジョンくん

絞りを使って光の量を調整するんだね!

絞りの用語

実際に絞りを調整する前に、絞りに関するいくつかの用語を説明していきます。

マコちゃん

絞りの意味は分かったけど、「絞りを開く」とか、「F値が小さい」ってどういうことなんだろう?

(絞りを)開く・絞る

先程まで穴を大きくする・小さくするという表現を使いましたが、実際には絞りを「開く」「絞る」という表現を使います。

撮影の現場では「もう少し絞ったほうが良くね?」とか「絞りを開きすぎると良くないよ」みたいに使います。

F値(エフち)

こちらも、先程までは穴の大きさという表現を使いましたが、実際には「F値」という用語を使います。「それ今F値いくつで撮ってるの?」にように使います。

穴の大きさが大きい順に、F1.4、F2.0、F2.8、F4.0というふうに表記します。F値が小さいほど穴が大きい、ということに注意してください。

また、レンズによって使えるF値が異なります。詳しくは次の「開放F値」で説明します。

開放F値

一番小さいF値のことです。F値が小さいほど穴が大きいわけですから、開放F値が小さい=穴を大きくできる=暗いところでも余裕で撮影できる、ということになります。

高級なレンズほど開放F値が小さい傾向にあります。たとえばCanonの場合焦点距離が50mmのレンズを3つラインナップしていますが、開放F値の違いによって価格が全く異なります。

開放F値がF1.8のレンズは約2万円、それに対してF1.2のレンズはその10倍近い約19万円です(もちろんF1.2の方は開放F値以外にも優れているところはありますが)。

一眼レフと一緒についてきたレンズ(キットレンズといいます)は開放F値が大きい(F3.5からF5.6など)レンズであることが普通です。

レンズの開放F値はレンズに書いてあります。

左のレンズの場合はF2.8です。中望遠ズームレンズとしては小さめのF2.8です。

右のレンズはレンズの焦点距離(どれくらいズームしているか)によって、F3.5から5.6の間で開放F値が変化します。一番広角のときF3.5、一番望遠のときF5.6という具合です。キットレンズを含めやすいズームレンズだとよくある開放F値です。

ひとことメモ
開放F値が小さいレンズを「明るいレンズ」、大きいレンズを「暗いレンズ」ともいいます。

マコちゃん

解放F値の数字が小さいほど、高性能ってことだね!

絞りとぼけ

絞りを調整すると写真の「ボケ」にも影響があります。F値を小さくする(=絞りを開く)ほど背景がボケるようになり、F値を大きくする(=絞りを絞る)ほど背景までくっきり写るようになります。

なので、背景をぼかして撮影したいときはF値を小さく(F2.0やF2.8など)、背景までピントを合わせたいときはF値を大きく(F11やF16)設定すればいいということです。

背景をぼかしたい

F値を小さくする

背景までピントを合わせたい

F値を大きくする

ただし、上に書いたとおり一番小さいF値はレンズによってそれぞれ決まっています。最初から付属しているレンズなど、安いレンズではあまりF値を小さく出来ないので、背景をぼかすのは苦手ということになります(程度問題ですが)。

実際に絞りをいじってみる!

習うより慣れよ、ということで、実際にカメラの絞りをいじってみましょう。

  1. 撮影モードを絞り優先オート(NikonはAに、CanonとPentaxはAvに)セットする
  2. カメラのダイヤルを回して絞り値を変化させる。絞り値は背面液晶かファインダー内に表示される
ひとことメモ

ダイヤルの位置はメーカーや機種によってまちまちです。

  • Nikon D5000系、D3000系の機種は右手親指の位置
  • Nikon D7000系やそれ以上の機種は右手人差し指の位置
  • Canon EOSは右手人差し指の位置

ダイヤルの位置は設定などによって変わることもあります。あと最近の機種はタッチパネルでわかりやすく操作できることもあります。

絞りを調整すると写真の明るさが変わr…変わらない!?

さて、冒頭で

  • 絞りを開くと通過する光の量が増えるので、写真が明るくなる
  • F値によって写真の明るさが変わる

ということを書きました。でも実際に撮影してみると…

F3.5(開放)からF16まで絞りを調整しました。でも写真の明るさはほとんど変わっていません。

実は、この写真は「絞り優先オート」という設定で撮影したもの。この設定にすると、カメラが自動的にシャッタースピードを調整します。

なので、絞りを開いて光の量を増やしても、その分シャッタースピードを速くして光の量を減らすので、結果写真の明るさは変化しないのです。

逆に、マニュアル撮影モードにすると絞り値をいじってもシャッタースピードは変化しないので、絞りを開けば明るく、絞れば暗くなります。

また、絞り優先オートで撮影しているとき、F値を小さくするとその分シャッタースピードが高速になりますが、小さすぎるとシャッタースピードの限界(1/4000〜1/8000秒)を振り切ってしまい、適切な明るさにならないことがあります。

逆も然り、F値を大きくするとその分シャッタースピードが低速になりますが、大きすぎるとシャッタースピードが遅くなりすぎて、手ブレの原因にもなります。

どちらの場合も、ISO感度を調整してやれば解決できます。

ISO感度とは?これを理解すればノイズを減らせます!

絞り優先オートの場合

F値(絞り値)を変えても明るさは変化しない(カメラが自動的に調整)

マニュアル撮影モードの場合

F値(絞り値)を変えると明るさが変化する

絞りが画質に影響を与える?

カメラやレンズのレビューサイトをのぞくと

絞りを絞りすぎると画質が悪くなる。F○○以上は使わないほうがいい
絞り開放では画質が悪いが1段絞ると改善する

というようなことがよく書いてあります。絞り値(F値)によって画質が良くなったり悪くなったりするのでしょうか?

実は、F値が小さすぎたり大きすぎたりすると画質が落ちます。

詳しい説明は端折りますが、F値が小さいとレンズの周辺部まで使うことになり(レンズは中央部ほど高精度)、特に開放で撮影すると全体がぼやけたような写真になってしまいます。一方でF値が大きすぎても、今度は回折現象が起きて全体的に描写が甘くなります。

「じゃあ絞りは絞りは開けすぎても絞りすぎても良くないのか」「一番画質がいいF値はいくつ?」となるのは早計。

正直に言って、ほとんどの場合、絞りが画質に与える影響は無視してもいいレベルです。なのでその時その時で好きな絞り値(または最適な絞り値)を選べばいいのです。

ひとことメモ
絞りが画質に与える影響は無視できるレベル

むしろ、「このレンズの最適なF値は○○だ」みたいに、どんな状況でも絞り値を一定にして撮影するのでは、一眼レフやミラーレスの楽しみ・利点が一つ消えてしまいます。これでは本末転倒ではありませんか?

ジョンくん

絞りが画質に与える影響は小さいから、背景をぼかしたいかそうでないかで絞りの値を使い分けるんだね!

絞りを調整して撮影した例

カメラの撮影モードを「絞り優先オート」または「マニュアル」に設定して撮影してみました。

F値は「F2.0(開放)」。手前の花にだけピントが合い、それ以外の部分は思いっきりボケています。

風景全体にピントを合わせたかったのでF値は「F8.0」。風景写真では絞って撮影するのが普通です。

夜のタクシーの車窓から撮影、F値は「F2.0」。夜のような暗いシーンでは手ブレ・ノイズを減らすためにF値を小さくせざるをえません。

こちらは真夜中に撮影しましたがF値は「F16」です。シャッタースピードを長く(この場合は約60秒)するためには絞りを絞る必要があります。

まとめ

「絞り」って、正直とっつきにくい要素だと思いますが、上の作例のような「背景がボケた写真」や「全体がくっきり写っている写真」を撮影するためには必要不可欠な知識です。是非、「絞り」を身につけて、もっとを楽しんでみてください。

  • 絞りはレンズを通過する光の量を調整するしくみのこと
  • F値が小さい(絞りを開く)と光の量が多く、F値が大きい(絞りを絞る)と光の量が少なくなる
  • F値が小さいほどボケた写真になる
  • 状況に応じて適切なF値を選択する必要がある

あわせてシャッタースピードについて知っておくと、カメラについてもっと理解できます。

シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!