接続ケーブルの規格はHDMIやVGAなどの種類があり、その中で最も性能が高いのが今回紹介する「DisplayPort(ディスプレイポート)ケーブル」です。
4K8Kといった高解像度モニターや、スピードが重要視されるゲーミングモニターとの接続に適しています。
ただ、DisplayPortには適した使用環境がありますので、ケーブルの特性をよく理解したうえで選ぶことが重要。DisplayPortケーブルを十分理解した上で適切な環境で使用しないと、使いにくさを感じてしまうかもしれません。
そこで今回は、DisplayPortケーブルの特徴やメリット・デメリットや選び方、さらにおすすめの最新DisplayPortケーブルを紹介します。
目次
DisplayPortケーブルとは?
DisplayPortケーブルは、PCを液晶モニターと接続し、映像や音声を伝達するためのケーブル規格の一つ。以下の写真のような形状の端子で、切り欠きがあるのが特徴です。
どんなに性能の高い液晶ディスプレイを買っても、それを繋ぐケーブルの性能が低ければディスプレイの性能を引き出すことはできません。
近年の高品質なディスプレイの性能を引き出すために登場したのが、大容量データ転送に対応したDisplayPortケーブルです。
DisplayPortケーブルのメリット
DisplayPortケーブルは性能の高いケーブルですが、メリット・デメリットがあるので無条件におすすめできません。
現在PCで用いられる一般的な接続ケーブルの規格は、大きく分けて下記の4種類です。
- VGA(D-sub)
- DVI
- HDMI
- DisplayPort
まずは、これらのケーブルと比較した場合の、DisplayPortケーブルのメリットを紹介していきます。
大容量の映像と音声データを1本のケーブルで伝達できる
DisplayPortケーブルは、大容量の映像と音声データを1本のケーブルで伝達できます。
8K対応の高画質なディスプレイや、リフレッシュレートの高いゲーミングモニターにも高画質なデータを素早く送ることができます。
例えば、HDMIケーブルは4Kまでしか対応していませんが、DisplayPortケーブルは最大8Kまで対応しています。
4K動画を観るだけならHDMIケーブルでもOKですが、8Kを観るなら大容量に対応したDisplayPortケーブルが必要です。
最大240Hzまでのリフレッシュレートに対応
DisplayPortケーブルは、最大240Hzまでのリフレッシュレートに対応しています。
PS5やPS4、パソコンのアクションゲームやFPSといった、0.1秒の遅延で勝敗が決まってしまうような動きの速いゲームとの相性は抜群です。
PCモニターやゲーミングモニターの違い、選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:【2021年度最新版】用途別PCモニターの選び方とおすすめ25選を解説&徹底比較
関連記事:【2021年最新版】コスパ最強のゲーミングモニターおすすめ20選!ゲームが有利になるモデルとは?
DisplayPortケーブルのデメリット
DisplayPortケーブルのデメリットは「モニターの電源をオフにしたとき挙動がおかしくなることがある」というものです。
接続したモニターをスリープ状態にしたり、モニターの電源のみを切った時に接続が失われ、様々な不具合が生じるというもので、DisplayPortケーブルの仕様上避けられません。
例えば、以下のような不具合が発生することがあります。
- ウィンドウの配置が換わる
- 使いやすく並べたアイコンが全部端に寄ってしまう
- デュアルモニターの場合アイコンが全部1つのモニターに寄る
- Direct Xを使用したゲームの接続が切られてしまう
ただし、必ず起きるわけではなく、環境や機器同士の相性によっては起こらないこともあります。
対策としては「モニターの電源だけを切らない」のが確実ですが、使用環境によってはそうもいきません。
これらの問題を回避しつつどうしてもDisplayPortケーブルを使いたいのであれば、「DisplayPort対策モニター」を選ぶのも一つの手です。
EIZOなどの一部のメーカーでは、DisplayPort接続でモニター電源を切っても不具合が生じない機能を搭載したモニターがあります。
例えばこの機種には「Compatibility Mode」という機能があり、ONにすることでDisplayPortケーブル接続の状態でモニターだけを切っても先ほどのような不具合は発生しません。
編集部
DisplayPortケーブルとHDMIケーブルの違い
よく耳にする「HDMIケーブルと何が違うの?」と思われる人もいるかもしれませんね。
HDMIケーブルとはこのような端子のケーブルで、現在最も一般的に使われているケーブルです。見たことがある方も多いのではないでしょうか。
規格 | 最大解像度 | リフレッシュレート |
HDMI 2.0 | 4096×2160(4K) | 最大レート 120~144Hz |
Display Port 1.4 | 7680×4320(8K) | 最大レート 240Hz |
HDMIはTMDSという方式で各データを1個ずつ送るのに対し、DisplayPortはパケット方式ですべてのデータを一度に送ることができます。
要するに、対応解像度や対応リフレッシュレートといった性能面では、DisplayPortケーブルのほうが圧倒的に高いです。
ただ、DisplayPortケーブルはその高い性能を活かせる機器を持っている方が少ないという現状もあり、シェアではHDMIのほうが圧倒的に高いです。
ですが、モニターが年々高性能化・低価格化していく現状を見ると、近いうちにHDMIケーブルからDisplayPortケーブルが主流になるかもしれません。
DisplayPortがおすすめな人
以上の点から、DisplayPortケーブルは以下のような方におすすめです。
- 4Kや8K対応のディスプレイを持っている
- 4K動画の作成や編集をする
- 高いリフレッシュレートの高性能ディスプレイでゲームをする
性能の高い最新式のディスプレイを持ってる方におすすめです。
いくらDisplayPortケーブルの性能が高いと言っても、それを活かせるディスプレイを持っていなければ意味がなく、それなら不具合が出ないHDMIがおすすめです。
編集部
DisplayPortポート使用に適した4K対応のPCモニターのおすすめを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:【2021年最新版】4Kモニターおすすめ15選 | 選び方やメリットデメリットを解説
DisplayPortケーブルの選び方のポイント
DisplayPortケーブルを選ぶ際は、以下の4つの点に注意して選びましょう。
- バージョン
- 端子の形状
- 長さ
- 価格による違い
「バージョン」は最新のものを選ぼう
DisplayPortケーブルのバージョンは最新のものを選ぶようにしましょう。
DisplayPortケーブルは一番最初に作られたDisplayPort1.0から何度かバージョンアップしてあり、現在7種類のバージョンが存在します。
バージョン(ver) | 最大帯域幅 | 4Kリフレッシュレート | 5Kリフレッシュレート | 8Kリフレッシュレート |
DisplayPort 1.0 | 10.8Gbps | 30Hz | 非対応 | 非対応 |
DisplayPort 1.1 | 10.8Gbps | 30Hz | 非対応 | 非対応 |
DisplayPort 1.1a | 10.8Gbps | 30Hz | 非対応 | 非対応 |
DisplayPort 1.2 | 21.6Gbps | 75Hz | 30Hz | 非対応 |
DisplayPort 1.2a | 21.6Gbps | 75Hz | 30Hz | 非対応 |
DisplayPort 1.3 | 32.4Gbps | 120Hz | 60Hz | 30Hz |
DisplayPort 1.4 | 32.4Gbps | 240Hz | 120Hz | 60Hz |
現在販売されているものは1.2か1.4がほとんどですが、各バージョンによって対応している帯域幅や解像度が異なるので、購入する際は注意しましょう。
編集部
同じDisplayPortでも「端子の形状」には要注意
DisplayPortケーブルには「DisplayPortケーブル」と「Mini DisplayPortケーブル」の2種類があります。左が通常の「DisplayPortケーブル」で、右の小さい端子が「Mini DisplayPortケーブル」です。
Mini DisplayPortケーブルはノートパソコン、特にappleのMacなどで使われていることが多く、「Thunderbolt」と同じ端子形状です。
編集部
「長さ」は10m以下がおすすめ!
ケーブルの長さは、可能な限り短いものがおすすめです。というのも、長いと取り回しが悪く、邪魔になるのはもちろん、長ければ長いほど接続伝達時にノイズが発生しやすくなるからです。
- 0.5m
- 1m
- 1.5m
- 2m
- 3m
- 4m
- 5m
- 7m
- 10m
- 15m
- 20m
- 100m(調査時最長)
様々な長さのケーブルを売っていますが、選ぶ基準としては「10m以下」と覚えておきましょう。10m以内であれば、まずノイズが発生することはありません。
ただし逆に短いと機器同士の接続がしにくくなったり、手などでひっかけた際に抜けやすくなります。
編集部
なお、抜け防止にはラッチ付きのケーブルも便利です。
よく足や手でケーブルをひっかけて抜いてしまう、という方はこうした抜け防止機能の付いたケーブルを選択するのも良いでしょう
DisplayPortケーブルの比較一覧表
商品 | 最安価格 | バージョン | 端子 | ケーブル長さ | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | 【Amazonベーシック】 DisplayPort to DisplayPortケーブル 1.8m | ¥993 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.2 | DisplayPort | 0.9m/1.8m/3.0m/4.6m/7.6m |
![]() | 【iVanky】Displayport ケーブル1.2/4K/2M | ¥1,199 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.2 | DisplayPort | 1m/2m/3m |
![]() | 【サンワサプライ】 DisplayPortケーブル 2m(Ver1.4) KC-DP1420 | ¥2,640 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.4 | DisplayPort | 1m/1.5m/2m/3m/5m |
![]() | 【サンワサプライ】 KC-DP2K DisplayPort ケーブル 4K60Hz対応 ブラック | ¥1,318 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.2 | DisplayPort | 1m/1.5m/2m |
![]() | 【エレコム】 ディスプレイポートケーブル ver1.4 CAC-DP1410BK | ¥4,273 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.4 | DisplayPort | 1m/2m/3m |
おすすめDisplayPortケーブル5選
ここからはPicky’s編集部が厳選したおすすめのDisplayPortケーブルを5つ紹介します。
DisplayPortケーブル選びに迷ったら、ここで紹介しているケーブルを買っておけば間違いありません。
信頼のAmazonブランド。標準的なDisplayPortケーブル
AmazonオリジナルブランドのDisplayPort to DisplayPortケーブルです。
Amazonブランドはハズレ製品が少なく、DisplayPortケーブル選びにおいても信頼がおけます。無難なケーブルを選びたい人におすすめですね。
バージョンは1.2で、端子は金メッキ加工されているので、どんな状況下でも安定した伝達が可能。
さらに様々な長さから選べて価格も安い、と欠点らしい欠点のない製品です。
バージョン | 1.2 |
---|---|
端子 | DisplayPort |
ケーブル長さ | 0.9m/1.8m/3.0m/4.6m/7.6m |
耐久性の高いナイロン編みケーブルを採用!
どんな状況下でも断線や劣化のしにくく耐久性の高い、ナイロン編みケーブルを採用したiVankyのバージョン1.2Displayport ケーブルです。
コネクターは金メッキ加工で、着脱の耐久性も高く、価格も安いおすすめ商品となっています。
ブランドの認知度は高くありませんが、現時点でAmazonで最も売れているDisplayport ケーブルブランドで多くの人が利用している実績があるので安心です。
バージョン | 1.2 |
---|---|
端子 | DisplayPort |
ケーブル長さ | 1m/2m/3m |
パソコン周辺機器メーカーサンワサプライの1.4ケーブル
パソコン周辺機器メーカーとして信頼性の高いサンワサプライのDisplayPortケーブルです。
先ほどの2つの製品と比べるとバージョン1.4なので価格はやや高めですが、4K.8Kディスプレイや高リフレッシュレートのゲーミングPCを持っているユーザーには必須の製品。
コンテンツ不正コピーを防止するHDCP2.2/1.4にも対応しています。高品質なケーブルを求めている人におすすめです。
バージョン | 1.4 |
---|---|
端子 | DisplayPort |
ケーブル長さ | 1m/1.5m/2m/3m/5m |
手頃な価格で購入できるサンワサプライケーブル
サンワサプライのバージョン1.2、細目で柔らかい取り回しのしやすいケーブルです。
先ほど紹介したように信頼性の高いメーカーですが、バージョンが1.2なので先ほどの1.4に比べると非常に安く、手軽に購入できます。
4Kやリフレッシュレート144Hz以上の高性能ディスプレイを持っていなければ、これで十分です。
国産メーカーにこだわりつつも、お手頃なDisplayPortケーブルをお求めの方におすすめですよ。
バージョン | 1.2 |
---|---|
端子 | DisplayPort |
ケーブル長さ | 1m/1.5m/2m |
ノイズや錆に強いエレコム製DisplayPortケーブル
有名メーカーエレコム製バージョン1.4のディスプレイポートケーブルです。
少々価格は高めですが、それ相応の性能を誇ります。
ノイズに強い3重シールド構造や錆びにくいコネクタ金メッキ。さらには外れにくいラッチも付いていたりとフル装備です。
とことん性能にこだわりたいという方におすすめのDisplayPortケーブルです。
バージョン | 1.4 |
---|---|
端子 | DisplayPort |
ケーブル長さ | 1m/2m/3m |
Mini DisplayPortケーブルの比較一覧表
商品 | 最安価格 | バージョン | 端子 | ケーブル長さ | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | 【Amazonベーシック】 Mini DisplayPort - HDMI 変換ケーブル 1.8m | ¥959 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.2 | Mini DisplayPort | 0.9m/1.8m/3.0m/4.6m |
![]() | 【iVANKY】 Mini Displayport to Displayport ケーブル 【1m/4K75HZ】 | ¥1,199 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.2 | Mini Displayport | 1m/2m/3m |
![]() | 【エレコム】 ミニディスプレイポートケーブル miniDisplayPort ver1.2 CAC-DPM1210BK | ¥1,355 Amazon楽天市場Yahoo! | 1.2 | miniDisplayPort | 1m/1.5m/2m |
おすすめMini DisplayPortケーブル3選
Macなどで使用するMini DisplayPortケーブルのおすすめ3選です。
コスパ最強のAmazonMiniDisplayPort
DisplayPortMiniでもAmazonブランドのケーブルがあります。
接続端子部分に金メッキ加工を施し、銅線をアルミテープと編組シールドで保護し、耐久性も高めています。
品質・価格の安さ・選べる長さに信頼性の高さと、あらゆる性能でバランスの取れた優秀なケーブルです。
バージョン | 1.2 |
---|---|
端子 | Mini DisplayPort |
ケーブル長さ | 0.9m/1.8m/3.0m/4.6m |
口コミ・評価の高いiVANKY製のMiniケーブル
Lenovo ThinkPadやsurface、Macなどに最適なAmazon人気ブランドiVANKYのMini Displayportケーブル。
高品質スマートチップ、金メッキ端子、3重シールド処理のナイロンケーブル、発熱防止のアルミ合金コネクタなど多くの技術を採用していますがその割に価格が安くおすすめの製品。
赤と黒の2色から選べ、おしゃれな点もポイント。
レントリーでは基本エレコムやサンワサプライと言った信頼性の高いメーカーを勧めていますが、iVANKYはAmazonの実績が高いので問題ないでしょう。
バージョン | 1.2 |
---|---|
端子 | Mini Displayport |
ケーブル長さ | 1m/2m/3m |
国産メーカーのMiniDisplayPortケーブルならコレ!
金メッキ加工端子、3重シールド構造のElecom製バージョン1.2・ミニディスプレイポートケーブル。
パソコン側のDisplyPort端子から、複数のディスプレイへの映像出力可能な「マルチストリーム機能」対応。
デジタルコンテンツの不正コピーを防止する著作権保護技術DPCPとHDCPにも対応しています。
様々な機能に対応し、ラッチも付いていることから他の製品よりわずかに高いですが、その価値は十分にあります。
バージョン | 1.2 |
---|---|
端子 | miniDisplayPort |
ケーブル長さ | 1m/1.5m/2m |
片方にDisplayPort端子が無い場合どうしたらいい?
使用する機器によっては、DisplayPort端子が無くHDMI端子しかなかった、もしくはその逆パターンでHDMI端子がなかった、というケースもあると思います。
そういう場合はHDMI変換ケーブル(またはDisplayPort変換ケーブル)で解決します。
ただしDisplayPort規格には方向性があり、「本体側(出力側)がDisplayPort規格」であることが基本となります。
一般的な変換ケーブルは「DisplayPortToHDMI」、つまり「PC側がDisplayPort端子で、モニター側がHDMI端子」用です。
その場合はこうした変換ケーブルをネットならAmazonや楽天市場、お店ならヨドバシやヤマダ電機といった家電量販店で購入し、接続すればOKです。
ただ、逆に「パソコン側がHDMI、モニター側がDisplayPort」の場合、先ほどのケーブルを使用しても映りません。
「DisplayPortケーブルを繋いでも画像や映像・音声が出ない」という問題の多くはこれが原因です。
パソコン側がHDMI出力の場合、「HDMI To DisplayPort」という特殊な変換ケーブルが必要になります。
特殊な変換ケーブルになるので種類が少なく、価格も高くなります。
変換ケーブルにはほかにも様々な種類があり、USB-TypeCをDisplayPortに変換するケーブルなども販売されています。
ただ、変換ケーブルは解像度が変わったり、組み合わせによっては「映像が映らない」といった不具合が発生する可能性があります。
DisplayPortケーブル まとめ
DisplayPortケーブルはパソコンと液晶ディスプレイを接続するケーブルで、HDMIやVGAよりも転送レートの高い高性能ケーブルです。
4Kや8Kといった高画質ディスプレイや、144Hz以上のリフレッシュレートの高いモニターをお持ちの方に特におすすめ。
24時間パソコンをつけっぱなしにしてモニターだけ消すような方には不向きですが、それ以外では特に大きなデメリットはありません。
DisplayPortケーブルを購入する際は接続する機器のスペックと、ケーブルのバージョン・長さ・形状をしっかり確認して購入してください。
なお、今回の記事を読んで、「自分にはHDMIケーブルの方が向いているな…」と思ったらHDMIケーブルについて解説した以下の記事もぜひ読んでみてください。
関連記事:【2021年最新】HDMIケーブル おすすめ21選|PC/カメラ/スマホ/TV/4K対応の選び方まで詳しく解説