初夏の風物詩 ホタルを一眼レフ・ミラーレスで撮影しよう!ホタルの生態と撮影方法!

初夏の風物詩、ホタル。

田園風景に舞う幻想的な光を求め、毎年見に行きたくなります。美しく光の線を描くホタルは上手く撮影出来ると、とても幻想的な写真になります。

真っ暗な環境に予測の出来ない動きをする被写体・・・ホタルの撮影はなかなか難しいもの。この記事では、一眼レフ初心者でもホタルの撮影が出来るように説明していきます。

生き物の撮影をするときはその生き物の生態を知るところから始めなくてはなりません(と私は思っています)。

今回は日本のホタルの生態についてもお話していきます。

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この記事を読んでわかること
  • ホタルの撮り方
  • ホタルの生態
  • ホタル撮影のための準備

ホタルの生態は?いつ飛ぶの?撮影時の注意点など

日本一とも言われるホタルの乱舞が見られる長野県辰野町、ホタル童謡公園にてピーク時に撮影した一枚。 30秒のシャッタースピード、一枚撮りでこれだけの数のホタルが写りました。ホタルには他の被写体に無い幻想的な美しさがあります。

ホタルは大きく分けて2種類存在します。幼虫期を水中で過ごすゲンジボタルやヘイケボタルのような「水棲」と、一生を陸で過ごすヒメボタルのような「陸棲」

今回は日本で最もポピュラーなホタルの一種、ゲンジボタルの生態を中心にお話していきます。

ゲンジボタルは清流にしか生息しない

発光するゲンジボタル

ゲンジボタルは初夏に交尾を行い、川辺の苔などに卵を産み付けます。数週間後卵がふ化し、水中で幼虫として脱皮を繰り返しながら成長します。

この間、餌はカワニナしか食べません。ゲンジボタルはカワニナの棲む、綺麗な冷たい水の流れる清流にしか生息しません。

ゲンジボタルの餌となる巻き貝、カワニナ。

 

十分に成長した幼虫は春になると上陸し、土の中に潜り「土繭」となり羽化の時を待ちます。

ゲンジボタルはこのように土繭になることのできる、柔らかい土が近くにある川でしか生息できません。近年河川の護岸のためのコンクリート化が進み、生息地が現象しつつあります。

土繭として約2ヶ月間地中で過ごしたホタルたちは、羽化しまた初夏に地上で光の乱舞を見せます。

 

ゲンジボタルの幼虫

 

ホタルは夜、3回飛ぶ!時間を考えて撮影に向かおう

ホタルは夜、3回飛びます。

1回目:20時前後

2回目:23時前後

3回目:午前2時前後

1~2時間飛んで、休んでを一晩の間に繰り返します。

ホタルは水棲か陸棲かによって生息地が異なる

水棲ホタルが生息するのは、安定した水温で綺麗なゆっくりとした水が流れ、柔らかい土壌が残る清流の近く。

一方陸棲のヒメボタルなどは、湿り気のある雑木林や山地などに生息します。最近では環境整備に力を入れ、ホタルを守ろうとしている自治体が増えてきています。

ぜひどこでホタルが見られるのか、近所を調べてみてくださいね。

フラッシュ厳禁!撮影はマナーを守り、ホタルに思いやりを持とう。

ホタルにとって私たちの存在はほとんどの場合ストレスとなります。特に撮影時は、強い光をホタルのいる方向に向けないように十分注意しましょう。

その場から逃げてしまったり、隠れてしまったり、発光を弱めてしまったりします。

大きな声や音を出すのもNG。これらのことは他の撮影者・鑑賞者にとっても迷惑になる行為ですので、ホタルの生息地では静かに最低限の明かりで撮影しましょう。

不用意にカメラから発せられる光に注意

不用意にカメラで撮影すると、余計な明かりを出してしまいがち。特に多いのは、スマホのフラッシュと一眼レフのAF補助光です。

スマホのカメラは使わないのが一番ですが、フラッシュはあらかじめ出ないようにしておきましょう。

AF(暗い室内などで近くの被写体を照らすことでピントを合わせようとする機能)の補助光が出ないように設定しておきましょう。

AF補助光が出される様子。暗い中これが光るとかなり明るく照らされてしまうので注意しましょう。

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ミラーレス・一眼レフでのホタル撮影法!

ホタルの生態も理解できたところで、いよいよホタルの撮影法について見ていきます。

撮影に必要なもの

  • 三脚
  • レリーズ
  • テープ(ピント合わせに必要であれば)

蛍の撮影にはISOを上げても画質の低下しにくいボディがおすすめ

全体的に暗い部分の多い写真の撮影となるため、ISOを上げてもノイズが出たり画質が低下しにくい高感度耐性のあるボディが向いています。

センサーが大きく、発売が新しい機種が良いでしょう。

暗い環境でファインダーはあまりよく見えなくなってしまい、ピント合わせもライブビュー画面で行うことが多くなると思われますので、ミラーレスカメラでも一眼レフでも撮影時に大きな違いは無いでしょう。

幻想的に撮りたいなら、F値の低いレンズを。

多くの撮影場面と同じく、蛍の撮影でもF値の低いレンズの方が綺麗に写真が撮れます。ボケる範囲が広くなり、ボケが大きく出ることで蛍の光の線を柔らかく幻想的に写せるようになるからです。

焦点距離は、どのような写真を撮りたいかによって選び方が異なります。

F値って何?脱初心者のためのカメラの基本

ピントはマニュアル調整で!

ピントは基本ライブビュー画面を使ってのマニュアル調整となります。

撮影地があらかじめ決まっている場合は、ホタルが飛ぶと予測される場所に明るい時間帯に行きピントを合わせておくか、家を出る前にだいたいの予測されるホタルまでの距離にピントを合わせ、テープなどでピントリングを固定しておくと良いでしょう。

初めて行く場所だったり、暗くなってからピントを合わせ直す場合は3通りの方法があります。

  1. ホタルの光るわずかなタイミングで、光る部分にピントを合わせましょう。少し時間がかかり難しく感じますが、ぴったりホタルのいるあたりにピントを持ってこられます。
  2. 無限遠にピントを合わせる方法です。遠くに街明かりや街灯、明るい星などが見える場合に、それらにピントを合わせるか、そこから少し近くにピントが来るようにコントロールしましょう。ホタルを含む、画角に写る場所や物が2~3m以上撮影者から離れている場合だと比較的自然に写ります。
  3. 同行者がいる場合にピントを合わせたい距離くらいの位置に立ってもらい、スマホの明るい画面を向けてもらったりライトで同行者の体を照らしてもらい、そこにピントを合わせましょう。

他にもピントリングを回す度合いや方向を把握しコントロールしたり、F値で被写界深度を調整したりできます。

ピントを手前に持ってきすぎて画面全体がボケてしまった失敗例。ピントは気持ち遠めに合わせておいた方が無難かもしれません。

F値の設定方法は被写界深度を考えて

F値はホタルの光跡をどう写したいかによって変えます。画面全体のホタルや景色にしっかりピントを合わせて写したい場合は、F値を高めにしましょう。

F値を高くすれば被写界深度(ピントの合っている範囲)が広くなり、ピンボケによる失敗の確率を少し下げられます。

ピントが合うのが画面の一部だけでも良い場合は、F値を低めにしましょう。

F値が低い方がボケた部分(被写界深度外)のホタルの光もボケて太い光の線になり、より幻想的に写せます。画面全体のどこにもピントが合っていない状態にならないように注意しましょう。

F2.8で撮影。この写真では背景にピントを合わせてあり、ピントが合っていない範囲となるレンズの目の前を飛んでくれたホタルが大きくボケて太い光の筋となって写りました。

ISOはできるだけ低く!

ホタル撮影では、当然大部分が暗い写真になります。ノイズを抑えて綺麗に撮影するためISOは出来るだけ低く、数値は1000以下にしましょう。

ひとことメモ

ノイズのざらざらした感じは写真の明るい部分では比較的目立ちにくく、暗い部分(シャドウ部)でよく見えます。

ISOを上げても画面のほとんどが明るく写る場合は意外とノイズは気になりません。しかし、画面のほとんどが暗くなってしまうような写真では全体的にざらついたイメージになってしまうので注意しましょう

 

ISO感度とは?これを理解すればノイズを減らせます!

シャッタースピードは浮かび上がらせたい光跡の多さによって変えよう

暗い環境、かつ低いISOでホタルのいる風景を浮かび上がらせるには、シャッタースピードを長くし明るく写す必要があります。

ISOの数値やF値の大きさにもよりますが、露光時間は数秒から数分。シャッタースピードが長くなるほど、一枚に写るホタルの光の筋は多くなります。

3分間の露光で撮影。3分間分の蛍の光の軌跡が浮かび上がっています。

関連:シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!

上級者向け!一眼レフでホタル撮影時のテクニックもご紹介

ここからはさらに上級者向け。ホタル撮影時に使えるテクニックをご紹介します。

風景の中で舞うホタルを撮りたいなら、35mmくらいの広角がおすすめ。

15㎜魚眼レンズで撮影。風景と一緒にホタルの乱舞を写し出す事が出来ています。撮影設定は30 秒、f/3.5、ISO100で7枚の比較明合成。

35mm位の広角で撮ると良いでしょう。

あまりに広角で撮ると、ホタルの光が細く小さく写ってしまうので注意。

シャッタースピードを少し長めにして、ホタルの光だけでなく背景の草むらや沢が少し明るく浮かび上がるように撮れたら最高です!

ホタルが描く光の線をメインに撮影したいなら、90~135mm位の望遠を。

120㎜で撮影。手前から奥までのホタルのいる風景が圧縮され、密度感のあるホタルの乱舞を写し出せています。

90~135mm位の望遠で撮ると良いでしょう。

圧縮効果で画面の中に光の筋をたくさん入れられます。ホタルが広く分布して飛んでおり、奥行きがあるような構図で撮れるととても綺麗に写せます。

70-200㎜ F2.8のようなF値の低いズームレンズが使いやすいでしょう。

スマホでのホタル撮影は注意!ホタルを弱らせてしまう可能性も

蛍の光は人の目には明るく美しいものとして見えますが、昼の景色や夜の街灯など、普段私たちが目にする光源と比べると非常に弱いです。

カメラで写すには、長時間の露光をしたり感度を上げたりしなくてはなりません。そのためスマートフォン(スマホ)のカメラで写そうしても、ブレたり真っ暗な中に点のようにしか映らない場合がほとんどです。

留まったホタルに光を当てて撮ろうと思っている人は要注意。強い光を嫌うホタルにとって、光の直射は非常にストレスです。

注意

スマホでホタルを撮ろうとして、不意にフラッシュを出さないように注意しましょう。

多くのスマホでは、暗い場所で写真を撮ろうとすると自動でフラッシュを出そうとする機能がついています。ホタルをスマホで撮りたいなら、あらかじめフラッシュをOFFにしておきましょう。

比較明合成で無数のホタルを写しこむ撮影方法

25 秒×3枚合成  f/2.8  60 mm ISO100

このように無数のホタルが飛び交う写真は、数分ぶんのホタルの飛翔を一枚の写真に収めたものになります。

この写真の場合、比較明合成という方法を使って三枚の写真を合成しています。三脚を用い、全く同じ構図、同じ露出で数枚の写真を撮り、パソコンの比較明合成が行えるソフトで合成しています。

光って飛ぶホタルが写らない時でも、長時間分の写真を一枚にすることでたくさんのホタルが飛んでいるように見えます。ホタルが良い位置を飛んでくれた時、あとから選択的に構図の中に取り込めることも。

関連:写真をより面白くする!カメラの基本構図パターン10選

運が良ければホタルと天の川のコラボレーションも

F2.8 25秒 24 mm ISO1250 ×2枚比較明合成

ホタルの発生時期は、梅雨と重なりがち。条件が良く東~南側の空がひらけたロケーションでは、地上を舞う蛍と天の川のコラボレーションを狙うことも出来るかもしれません。

一度は行きたい日本一のホタルの名所、信州辰野町のホタル祭り!

今回の記事の写真はすべて去年に長野県辰野町ホタル童謡公園で撮影したものです。

辰野町はホタルを中心とした観光を推しています。市のHPでも毎年幼虫の上陸から成虫の発生状況まで一匹単位でカウントし公表するなど観光資源としてのホタルの保護、調査に力を入れています。

ピーク時のホタルたちの大乱舞は圧巻ですので是非一度は訪ねてみて下さい。

辰野町ホタルまつりのHP

まとめ:蛍撮影は試行錯誤の連続!

ホタルの写真はピント合わせや露出の調整が初心者にはなかなか難しいもの。その分、綺麗に撮影出来たときの感動もひとしおなはず。

今回ご紹介したことを基本とし、まずは現場で試行錯誤して上達していくのが一番だと思います。

またホタルの撮影を機に比較明合成のような表現に手を出してみても、他の写真に通じる新たな発見があるかもしれません。

ホタルを慈しみ、マナーを守る事を第一に、ホタルのいる自然へと足を運んでみて下さい!

 

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