複数の端末でデータを共有したり、自宅以外の場所でもデータにアクセスできる事から人気のNAS。
まだまだ家庭での普及率は高くありませんが、企業などでは導入しているところも多いのではないでしょうか。
このNASですが、一般的なHDDと同じようにある日突然なんらかの原因で故障し、データが読み込めなくなることがあります。
そんな時、正しい対処法を知っておくことで大事なデータの復旧が可能です。
今回はそんなNASの仕組みと、万が一NASが故障した時のデータ復旧の方法についてPicky’s編集部が解説します。
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NASとは
まず、NASについて簡単に解説します。
NASとは「Network-Attached Storage」の略で、簡単に言えば「ネットワーク上にある外付けハードディスク」の事です。
通常のハードディスクはパソコンの中や、外付けHDDならパソコンの横にあって、「1つのパソコンとだけ」つながっていますよね。
ですがNASはネットワークに接続する外付けハードディスクです。
そのため、1つのパソコンだけではなくそのネットワークに繋がっている複数台のパソコンやスマホ、タブレットでデータを保存・共有・管理することができます。
また、リモートアクセス機能を使うことで、Wi-Fiなどネットワーク回線があるところであれば、自宅以外からでもHDDのデータにアクセスできます。
One driveやGoogle driveなどの、「クラウドストレージ」に近い使い方が可能です。
NASの故障原因3つ
便利で使いやすいNASですが、仕組みそのものは通常のHDDと同じです。
そのため、パソコン内部のHDDと同じように、ある日突然故障してデータが読み込めなくなることがあります。
ここでは、NASのハードディスクが読み込めなくなる3つの原因について簡単に解説します。
論理障害
NASの故障原因で一番多いのがこの論理障害です。
論理障害とは、HDD内部で何らかのデータエラーが起こってデータが読み込めなくなる症状です。
「普通に使っていたらある日突然データが読み込まなくなった」という場合はこの論理障害を疑いましょう。
物理障害
物理障害とは、落下や水没などでNAS端末そのものが破損したり故障した場合の「物理的損傷」を指します。
あまり持ち運ぶことが無いNASで落下や水没の可能性は低いと思いますが、部品の劣化で内部のパーツが破損することは考えられます。
内部パーツの破損も物理的な要因なのでこの物理障害に入ります。
寿命
論理障害と物理障害のほかにも、内部パーツ等の経年劣化によってある日突然故障することがあります。
一般的にHDDの寿命は3~5年程度と言われています。
NASもHDDを使用しているため、3年以上経過したNASは突然故障する可能性があると言って良いでしょう。
もちろん一つ一つの機器に差があるので確実なことは言えませんが、3年を目安にして時間の経過とともに故障リスクは上がっていくと考えてOKです。
寿命ではなく、ごくまれに初期不良によって購入後すぐにデータが読み込めなくなるなどの問題が起こる可能性もあります。
いずれにしても落下や水没といった明らかな原因があるもの以外、NASもある日突然壊れてデータが読めなくなる可能性があるという点を覚えておきましょう。
そして万が一データが読み込めなくなったら復旧手段を試してみる
普段からこのような対策を取っておきましょう。
論理障害と物理障害について簡単に解説しました。
以下のPCデータ復旧専門記事では、論理障害や物理障害についてさらに詳しく解説しています。
関連記事:【完全比較】PC (パソコン) データ復元 !! 無料ソフトと復旧業者どちらがオススメ?
NAS故障時のデータ救出方法
万が一NASが故障してデータが読めなくなった、電源が入らないという症状が出てしまったら、データの復旧を試してみましょう。
- データ復旧ソフト
- データ復旧業者
一見壊れたように見えるNASも、その内部にはデータが残っており、復旧ソフトかデータ復旧業者のいずれかの方法でデータを救い出すことができます。
ここではデータ復旧ソフトと、データ復旧業者の特徴や注意点について解説します。
1.データ復旧ソフト
データ復旧ソフトとはその名の通り、故障してしまったNASのHDDからデータを救い出すことができるソフトウェアです。
無料の物から有料のものまで、様々な種類があり、有料の物でも数千円~2.3万円程度と、比較的安価でデータ復旧させることができます。
また、NASのデータ復旧を自力で行えるので、素早くデータを復旧したり、データのプライバシーが守られるなどのメリットがあります。
データ復旧ソフトの注意点
安価で、素早いデータ復旧が可能な復旧ソフトですが注意点もあります。
- 物理障害は治せない
- 復旧確率そのものは決して高くない
- フリーソフト(無料)はLinux環境が多い
データ復旧ソフトが使用できる環境は「論理障害」に限定されます。
物理的な要因で、NASの電源が入らない場合は使用できないことがほとんどです。
また、NASのデータ復旧ソフト、特に無料のフリーソフトの場合、データ復旧業者に比べて復旧確率そのものも高くなく、復旧できるデータの割合も低め。
そのため、絶対に救いだしたい大事なデータが入っている場合は復旧業者に依頼したほうが良いでしょう。
なお、NASのデータ復旧で使えるソフト、特に無料で配布されているフリーソフトは「Linux(リナックス)」環境で動作するものが多いです。(ubuntuなどが有名)
LinuxはWindowsやMacと同じOSのようなものです。(正確にはちょっと違いますが今回はあえて触れません)
このあたりの知識がない方は、WindowsやMacに対応したフリーソフトや有料ソフトを使用するようにしましょう。
HDDのデータ復旧ソフトについてもっと詳しく知りたい方は、以下の復旧ソフト専門記事を参考にしてください。
関連記事:【2021年】 HDD(ハードディスク)復元・復旧ソフトおすすめ 20選 無料と有料版を徹底比較!
2.データ復旧業者
データ復旧業者は故障したNAS(HDD)からデータを復旧させる専門業者です。
復旧ソフトに比べて料金はかかりますが、電源が入らないといった物理障害にも対応し、データ復旧率も非常に高いのが特徴です。
データ復旧業者の注意点
- 料金がかかる
- 時間がかかる
データ復旧業者に依頼した場合、データ復旧ソフトに比べて料金は高くなるため、依頼するかどうか非常に悩む点でしょう。
ただNASのデータ復旧の場合はHDD内部の構造が複雑になっているため、ソフトでの復旧が難しくなります。
下手に自分でソフトを使って復旧するよりも、プロの業者に依頼するのがオススメです。
関連記事:【主要10社を料金比較】データ復旧の相場や費用は?安く依頼する方法までプロが解説。
なお時間については業者に依頼する場合に、修理対応してもらうなどの手間がかかるため、早くても1週間程度はかかります。
ソフトの場合は購入してすぐに復旧ができますが、下手に操作してしまってデータ障害を悪化させてしまうと一生データが戻らない場合があるので、
データ復旧業者に関して、もっと詳しく知りたい方は以下の専門記事を参考にしてみて下さい。
関連記事:【2021年】HDD (ハードディスク) 復元・復旧業者 おすすめ20選 ! 主要ポイントを徹底比較!
NAS データ復旧 業者 オススメ 8選
データ復旧ソフトではどうしようもない症状や、大事なデータ復旧は専門業者に依頼しましょう。
ここではNASのデータ復旧におすすめの復旧業者を8社紹介します。
アドバンスデザイン
- NASデータ復旧 100,000円~
アドバンスデザインはNAS復旧を得意とするデータ復旧業者です。
あらゆるNAS、RAID構成にも対応し、論理障害はもちろん、重度の物理障害にも完全対応しています。
まその技術力と信頼性から、buffaloをはじめ数多くの有名メーカーとの取引も行っている信頼できる業者です。
中でもBuffalo社製やIOデータ製の製品に強く、この2メーカーのNASが故障した場合はアドバンスデザインに相談してみるといいでしょう。
もちろんほかのメーカーにも対応しています。
アドバンスデザインは企業のNAS・サーバーのデータ復旧にも多くの実績を持ち、オンサイト(現地)での復旧対応も行っているため法人向けにもおすすめのデータ復旧業者です。
関連:[口コミで見る]アドバンスデザインを徹底検証!料金や対応まで徹底解説
A1Data(エーワンデータ)
A1Dataはサービス開始27年の歴史と70000件以上の実績を持つデータ復旧業者です。
各メーカーと提携し、高度な専門知識を持ったスタッフが構造解析と再構築を行うため、あらゆるNASに対応しています。
ISO27001/ISMSを取得しており、大切なデータの取り扱いも安心して任せられます。
調査料は無料かつ成功報酬型なのでまずは相談してみることがおすすめです。
関連記事:[評判/口コミ]A1Data(エーワンデータ)の料金や対応、口コミ、悪い評判まで徹底解説!この業者は信頼できる?
DATA SMART(データスマート)
DATA SMARTはスマホやSSD等の半導体ストレージに特に強いデータ復旧業者です。
半導体ストレージはHDDとは全く構造が異なり、高い技術力が無ければ復旧は難しいので対応していない業者もあるほどです。それだけの技術力があることが伺えます。
大手企業や研究機関からの依頼実績も多くあり、警察署から感謝状を贈られるほどの技術力と信頼を得ています。
他社で断られた案件でもDATA SMARTなら対応してもらえることもあるので要チェックです。
関連記事:Smartfix(スマートフィックス)の口コミや評判は?料金・対応まで徹底解説
バッファローデータ復旧サービス
- 保証期間中の軽度論理障害は無料
- NAS 論理障害 30,000円~
- NAS 物理障害 60,000円~
バッファローデータ復旧サービスはbuffalo社の正規復旧サービスです。
当然buffalo製品に強く、また「容量による復旧費用の増額が無い」という点も特徴です。
通常、HDDの復旧は「症状」×「データ容量」で料金が決まり、HDDの容量が大きければ大きいほど復旧費用も高くなります。
ですが、buffaloデータ復旧サービスは容量の大きさによる料金アップはありません。
buffalo社製で大容量のNASデータを復旧させたい場合、こちらに依頼してみてはいかがでしょうか。
なお、buffalo社製に比べて若干割高になりますが、他社の製品に関してもきちんと対応してもらえます。
関連:[評判/口コミ]BUFFALO データ復旧サービスの料金や対応、口コミ、悪い評判まで徹底解説!
LIVEDATA(ライブデータ) データ復旧サービス
- NAS(軽度障害)99,000円~
ライブデータは事前見積りや、完全成功報酬制で安心して依頼ができる業者です。
秋葉原駅徒歩1分の立地の良さもポイントで、東京近郊で、素早く持ち込める方なら、最短翌日にはデータ復旧が可能。
もちろん郵送でも、作業開始から平均14時間弱というスピードで復旧作業を行ってくれます。
急ぎのデータは一度相談してみるといいでしょう。
関連記事:【口コミ検証】LIVE DATA(ライブデータ) データ復旧サービスの料金や対応は?料金や悪い評判まで徹底解説!
デジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは国内売上シェアNo1を謳うだけあり、あらゆるメディア・デバイスからのデータ復旧を得意とする業者で、18万件を超える圧倒的な実績があります。
24時間365日受付で、深夜のトラブルでも即座に対応してくれるため、いざという時のために名前を覚えておくと安心です。
ISO27001とPマーク取得、NDA(機密情報保持契約)対応のため、情報の取り扱いや漏洩に対するセキュリティ意識も非常に高いです。
また、全国主要5都市に会社があるので、多くの企業や個人にとって便利な業者と言えるでしょう。
実績 | 184,637件(リサーチ時) |
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スピード | 来社なら最短当日・郵送で最短翌日 |
価格 | 5,000円~(500GB以下) |
無料見積もり | ◎(初期診断無料) |
完全成果報酬型 | 〇(成功定義データが復旧できない場合は料金割引or無料・例外あり) |
対応メディア | HDD/SSD/スマホ/ビデオカメラ/カメラ/SDカード/USB/RAID/NAS他 |
店舗受付/郵送受付 | 有り/有り |
所在地 | 東京/神奈川/名古屋/大阪/福岡 |
- 500GB未満簡易障害 5,000円~
デジタルデータリカバリーは重度物理障害を含むあらゆるデータ復旧において、95.2%という高い復旧率を誇る業者です。
18万件以上の復旧実績があり、その技術力と信頼性からあらゆるメーカーや顧客から常に依頼を受けています。他社で断られた復旧についても、諦めずにデジタルデータリカバリーに相談してみるといいでしょう。
関連:【覆面調査】デジタルデータリカバリーの悪評はどうなの?口コミ/料金/営業マンなど徹底検証!
WinDiscRescue
- NAS簡易処置 50,000円~
WinDiscRescueはあらゆるデバイスと症状に対応した、オールマイティなデータ復旧業者です。
料金は「一般障害(2ステージ)」「重度障害(3ステージ)」の全5段階で決定されます。
他の業者では「重度障害」と判断された症状でもWinDiscRescueでは「通常処置」で収まるケースも多いそうです。
確実にデータを取り出したい、でも費用を抑えたいという方は相談してみてはいかがでしょうか。
データレスキューセンター
- NAS論理障害 19,800円~
- NAS物理障害 79,800円~
データレスキューセンターは、事前に復旧できるデータの範囲と見積りをしっかりと出してくれる業者です。
診断後、復旧可能なデータ一覧と費用の見積書と一緒に提出。
依頼者は料金と復旧範囲を確認してから依頼するかどうか選択できます。
復旧できるデータと料金のバランスを確認した上で依頼できるので、「高いお金を払ったのに…」という失敗がありません。
もちろん診断や見積もり、キャンセル料は無料なので、費用を事前にしっかりと確認したい方はデータレスキューセンターに診断を依頼されてはいかがでしょうか。
とにかく時間が無いという方のために、追加料金にはなりますが、到着後6時間以内に対応するサービスも行っています。
関連:[評判/口コミ]データレスキューセンターの料金や対応、口コミ、悪い評判まで徹底解説!
ロジテックデータ復旧技術センター
- NAS簡易障害 140,000円~
ロジテックデータ復旧技術センターは自社で高度解析設備(クリーンルーム)を持ち、高い技術力でNAS復旧を行う業者です。
そのため、重度物理障害からのデータ復旧にも強く、あらゆる症状において安心して相談することができます。
NASはもちろん、一般のHDDやUSB,フラッシュメモリなどのデバイス、そしてあらゆるメーカーに強いオールマイティな復旧業者です。
関連:[評判/口コミ]ロジテック データ復旧技術センターの料金や対応、口コミ、悪い評判まで徹底解説!
NAS データ復旧用ソフト オススメ 3選
ではまず、NASのデータ復旧に使用できる復旧ソフトを3つ紹介します。
NASのデータが読み込めなくなったら、まずはここから検討してみましょう。
EaseUS Data Recovery Wizard Free
EaseUS Data Recovery Wizard FreeはNASのデータ復旧にも対応した無料のデータ復旧ソフトです。
ただし、2GBまでしか復元できないので、重要なデータだけ復旧させたい場合に使用しましょう。
有料版にアップグレードすれば2GB以上のデータも復旧させることができます。
復旧天使 (無料体験版 )
復旧天使はNAS復旧を得意とするデータ復旧ソフトです。
WindowsやMac、Linuxに対応し、RAID復旧にも強いためNASのデータ復旧には最適と言えるでしょう。
ただし、無料版では診断までしかできません。
無料版でデータがどのくらい復旧できるか確認して、料金を払っても納得ができる復旧率が表示されたら製品版を購入しましょう。
NAS-RESUCEシリーズ
NAS-RESUCEはLinkStation、TeraStationの復旧に強いデータ復旧ソフトです。
復旧させるRAID構成(NASに使用されているHDDの台数)によって使用するソフトが異なり、症状に適したソフトを選択できるため余計な費用がかかりません。
HDD1台であれば5,400円から復旧が可能。
残念ながら無料版はありません。
NASがある日突然故障しても諦めるのは早い
NASも機器である以上、ある日突然故障してデータが読み込めなくなることがあります。
そんなとき、すぐに諦めてしまう必要はありません。
家庭用、企業用問わず、故障したNASからデータを復旧させることができるソフトや業者がたくさんあります。
ただし、ソフトや業者にはそれぞれ得意・不得意な状況やメリット・デメリットがあります。
普段からきちんと復旧方法について調べておき、万が一の際に適切な対処方法をすぐに選択できるようにしておきましょう。
NASではなく、通常の外付けHDDが故障した場合の対処についても基本的には同じです。
通常のHDDをお使いの方は以下の記事も参考にしてみて下さい。
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