多用途に使える単焦点並みの描写。SIGMAの24-35㎜ f2 Art 実写レビュー!!

この記事を読んで分かること
  • SIGMAで最も売れないレンズの魅力
  • このレンズでしか出来ない使い方
  • コスパの良さと高い描写力

SIGMAのようなレンズメーカーは、使いやすかったり純正にない性能を付加することで、売れるレンズを売り出しています。

そんなレンズメーカーでも、「売れないレンズ」というのは必ず存在してしまう物です。

今回紹介するレンズが実はそのSIGMAで最も売れないレンズの1本。

このようにSIGMAの山木社長がTwitterで実際に発言しています…

しかし私はどうしてもどうしてもこのレンズの24-35 f2 という性能、Artという箔が気になってしまい、自身のさらなるレベルアップのための決意も兼ねこのレンズを手にしたのでした。

レンズを手に入れてしばらく経っての印象と、作例を交えての描写に対する印象を綴っていきます。

購入を検討している方の参考になり、期待以上の働きをしてくれるこのレンズをより多くの人が手にしたいと思ってもらえるようになれば幸いです。

SIGMA 24-35 f2 ネット上での評価と購入前の印象

売れないレンズということだけあり、ネット上での評価は見事に割れていました。

ネガティブな評価

ズーム域が狭い
かなり重い
大きい

ポジティブな評価

f値が2と明るい
解像度が高い
寄れる

様々な評価に対してまとまった私の考え

ズーム域が狭い →単焦点レンズと比較すれば便利な物と思える
かなり重い →身体を鍛えて解決しよう
大きい →大きさはロマン

f値がズーム全域で2と明るい →星景撮影に使える!
解像度が高い →広角だし風景写真にもってこい!
寄れる →寄れるレンズが手元になかった&ワイドマクロの表現が出来る!

今の自分にとってこれは「買い」のレンズだった

風景写真により磨きをかけたいと思いつつ、王道であるとも言える広角の風景写真をうまく撮れていなかったので、狭い焦点距離域と高い描写力を持つこのレンズである意味広角の写真を鍛えられるのではないかと思いました。

広角でも寄ってボケを大きく出せるという特徴は、ポートレートや物撮り、ワイドマクロのユニークな表現も可能にするのではないかと期待。

さらにはf2.8では暗いと思い始めていた星景撮影においても新たなアプローチを可能にしてくれることを信じ、導入に踏み切りました。

考え方によっては高コスパ? SIGMA 24-35 f2 の価格

現在こちらのレンズの価格はちょうど10万円前後。ズーム域は狭いにしても、15万円以上はする大三元レンズより低い価格でありながらF値が1段明るくなっているため、割高であるようには全く思われません。

主要な焦点距離である24㎜、28㎜、35㎜でF2以下の単焦点レンズを3本揃えようとすれば、20万円以上はかかります。

そう考えると、とってもお得なレンズに思えてきませんか・・・?

外観と操作感

 

超望遠レンズの根元だけを切り出したかのような、ずんぐりとした鏡筒。

光沢を放つ鏡筒には、他のレンズにはない高級感が漂っています。

付属の花形フードを付けるとさらに迫力が増します。

ピントリングとズームリングは重めに作られており、構えて撮影するときにピントを追い込むのに便利そうです。

ズーム範囲が狭いことだけあって、ズームリングは45°ほどしか回りません。

ちょうど良い可動域ではあるのですが、構図を追い込むのと操作性向上のためにもう少し回っても良かったかなと思います。

ボディ(D750)に付けてみました。

入門機にキットレンズが付いているような大きさのバランスに見えますが違います。フルサイズ機に大口径レンズが付いているのです。

とにかく大きいこのレンズ。同じ距離にライターと並べて撮影してみました。

大きさと重厚感が伝わりますでしょうか?

実際首にかけても手で持ち続けてもすぐ疲れてしまうほどの大物です。

 

スイッチ類はこのAF/MF切り替えスイッチのみ。後でも説明しますが、このレンズには手ぶれ補正は付いていないのです。

性能の表示と焦点距離のメーター。

F2通しズーム・・・いつ見返しても驚きの性能です。

フィルター径は82㎜。

風景を撮るのに良い画角なのでフィルターを揃えればより様々な表現が可能になりますが、コストは多くかかってしまいそうです。

最短撮影距離28㎝、全域F2・・・性能の高さが、多くのシーンでの活用を可能にする

なによりもズーム範囲が狭いことで不便そうに感じるこのレンズですが、それ以上に嬉しい性能が詰まっています。

ズーム全域F2

世界初、ズーム全域F2を達成。F2.8からF2になるだけで取り込むことが出来る光の量は倍になり、露出を変えずにシャッタースピードを半分にすることが出来ます。

手ぶれ補正が付いていませんが、レンズ自体が明るいのでシャッタースピードが遅くなるシーンでも手持ちでシャープな撮影が可能です。

1/40 秒 f/2 ISO2000 35 mm夕暮れ時の薄暗い神社で撮影。かなり暗い場面でも、余裕のある設定で肉眼より明るく撮影することが出来ます。

最短撮影距離28㎝。奥行きのあるマクロ撮影で多彩な表現が可能に。

最短撮影距離は28cmと、かなり寄れます。近くの物を大きく写しつつ、背景の描写もしっかりできます。

35mmF2、最短撮影距離で撮影してみました。しべの部分にしかピントが来ておらず、被写界深度がかなり浅いのが分かります。

解像感あふれる風景撮影

SIGMAの用意している3つのラインナップのうち、最も描写性に優れているArtラインに属しているこのレンズ。

広角の24㎜から望遠端の35㎜まで妥協ない解像感を味わうことが出来ます。

1/25 秒 f/11 ISO500 24 mm

夕焼けに染まる手前の草原から、奥の町並みや山並みまではっきりと描写されています。ズームレンズとしてトップクラスの描写性能を持っていることは間違いないでしょう。

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ポートレートでは、ボケにより背景と被写体の絶妙な存在感を表現。

解放F値2という強みを活かし、広角でも背景を大きくぼかすことが出来ます。

1/100 秒 f/2 ISO100 35 mm

背景の風景を殺すことなく被写体を浮き上がらせることにより、その場の空間をより美しく表現することが可能に。

1/40 秒 f/2 ISO100 24 mm

商品撮影のような物撮りやテーブルフォトにも最適なレンズ

その場の空間を表現できる広い画角と高い解像感、そして被写体を浮かび上がらせることが出来る被写界深度の薄さ、さらには被写体に迫ることが出来る最短撮影距離の短さ。

これらは物撮りやテーブルフォトにもってこいの性能です。

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SIGMA 24-35 f2 残念な部分の評価

重さと大きさ

多用途で色んな場面に持ち出したいレンズなのですが、やはりその大きさと重さ故に長くである際には持ち出すのを少しためらってしまう部分があります。

周辺減光

私は周辺減光が出す雰囲気が好きなのですが、人によっては出て欲しくないという方もいるかもしれません。

解放F値に近いほど画面の四隅が暗く写ってしまいます。F4くらいまで絞り込むと解消されます

解放F値で撮影。この写真のように暗めに撮影するとより顕著に減光が見られます。

SIGMA 24-35mm F2 DG HSM 作例

1/125 秒 f/2 ISO800 32 mm

溶けるようなボケと、合焦部の解像。柔らかい描写で愛くるしいペットもさらに可愛くとることが出来ます。

 

1/40 秒 f/8 ISO360 35 mm

苔の海が広がる京都の庭園。性能の良いレンズでのみできる、空気感の表現もこのレンズでは可能です。

 

1/3200 秒 f/2 ISO100 24 mm

宿場町の路地裏。画面中央下のなまこ壁にピントを合わせてあります。

広角で若干距離のある風景ですが、奥の部分と手前の部分か若干ボケており、消失点構図と相まって奥行きを強く感じる一枚に出来ました。

 

1/4000 秒 f/2 ISO100 35 mm

ソバの花と風景。全景を大きくぼかしつつ遠くの風景もクッキリと描写出来ています。

無限遠の描写が若干緩い印象もありますが、このF値から考えれば十分な物でしょう。

 

1/3200 秒 f/2 ISO100 24 mm

勢いよく注がれる井戸水と街道の風景。

この写真で水が止まって写っているのが分かるように、F2を使うことで余裕を持ってハイスピードシャッターを切ることが可能になります。

 

1/40 秒 f/2 ISO100 24 mm

夕暮れの古道。奥に行くにつれてボケていく風景が綺麗です。

1/500 秒 f/2 ISO100 24 mm

奈良公園の鹿。こちらもF値解放で撮影。拡大してみたところ、鹿の瞳の中に自分のシルエットが映り込んでいるのが分かりました。

合焦部はきっちり解像し、ボケる部分は綺麗にボケる、良いレンズです。

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星景撮影にも最適

広角と明るいF値を活かした星空の撮影のも最適です。

満月に近い日であれば、夜の風景を手持ちで撮ることも可能です。

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手に入れて初めて分かった、最高のレンズ

高い描写力を活かした単焦点的な使い方をベースにしつつも、ズームによって構図の微調節をしたり、広角でありながらも被写体に迫ることで臨場感を持たせて大きく写したりすることが出来るレンズであることが分かってきました。

単焦点を3本分持っているかのようなレンズ、という意味を使えば使うほど実感でき、もしやそれ以上の能力を持っているようにすら感じます。

解像感ある風景を撮りたい方、高性能なレンズが欲しい方、星景撮影がしたい方、ペットや広角ポートレートが撮りたい方、個性的で他に持っている人が少ないレンズが欲しい方、色んな方にオススメできるレンズです。

34-35F2という中途半端にも見える数値の性能からは想像できないほどに楽しさと実用性が詰まったレンズ、ぜひお試し下さい。

実際にSIGMAの24-35㎜ f2 Artを使用した記事がこちら

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