日常にある光景をアートに!印象的なスナップ写真の撮り方。

   

この記事を読んで分かること
  • スナップ写真とはなにか
  • 印象的な被写体の選び方
  • スナップ写真の楽しみ方

一眼レフやミラーレスカメラで撮る写真にはポートレートや風景など様々なジャンルがあり、それぞれの撮影にそれぞれの楽しみ方があります。

今回紹介するスナップ写真はカメラさえあれば誰もが楽しめ、最も多くの人が最も手軽に楽しめる撮影ジャンルと言えます。

スナップ写真では、写真を撮った時の自分の感情をいつまでも一枚の絵に残すことができます。

そんなスナップ写真をより上手く撮るための知識やテクニックを今回はお伝えしていきます。

基本的なテクニックを押さえれば、より鮮明に瞬間の思い出をスナップ写真として残すことができるようになるでしょう。

そもそも、スナップ写真とは?

スナップ写真は人によって解釈の違いが多少あるように思いますが、基本的に日常の中の風景や出来事などの一瞬を切り撮った写真のことを指します。

スマホで撮ったおいしそうな料理の写真や、結婚式や成人式での友人との記念撮影もスナップ写真だといえます。

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そもそもスナップ写真の英語の“Snap”はいくつかの意味がありますが、とっさに、パッと、何かが起きたり行動したりするようなイメージがある言葉のようです。

あらかじめ何かを狙ったり、三脚を据えて構図を決めたりして撮ったものではなく、その時その場所で出会った物を自分の好きなように写した写真です。

カメラを持っている時間が多ければ多いほど、シャッターチャンスをモノにできます。

日常の中には珍しいオブジェクトや美しい情景や奇跡のような瞬間が数多く存在しています。

そんな瞬間を撮り逃さないように常にカメラを持ち歩き基本的な撮影テクニックを身につけていれば沢山の素敵な写真を撮ることができ、日常がより美しく彩られるようになるでしょう。

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被写体の探し方。ファインダーを意識しよう

スナップ写真においては、日常にある全ての光景が被写体となり得ます。

その中から自分の心が動かされるような場面や物、風景を見つけ出し撮影することで自分だけの一枚の写真になります。

目の前の光景から被写体を探す

下の写真の場面を例に被写体の探し方を解説していきます。

紅葉する湖畔と、人物やボート、水面の映り込みなどが構成要素となっている一枚の写真。これ一枚でも印象的な被写体がうまくまとまっていますが、ここからさらに個別に被写体を探していくことが出来ます。

黄色い枠の部分にズームインしてさらに写真を撮ったとして見ていきましょう。

①紅葉と秋空

うろこ雲が広がる空と、真っ赤に紅葉した枝を切り取っています。どちらも秋らしい被写体でありながら、色合いは青と赤と対比的になっており視覚的に強いイメージを持った一枚にする事が出来ます。

②湖畔の風景

対岸に山小屋が建っており、その周りを池や空、紅葉が彩っている様子を望遠でコンパクトに収めています。①でもそうなのですが、桜や紅葉などを写すとき、木の枝は上からかぶせるように写しこむと自然な印象になります。

③対岸の紅葉と水鏡

紅葉する対岸の森と水鏡を上下対称になるように撮影。風景の一番美しい部分だけを切り取りました。

④人物

人物を印象的に撮るときに最も重要になる要素の1つは、その人物がどういう状況で何をしているか。この場合は「湖畔の桟橋で写真を撮っている」ということがストーリーとして見て取れます。

人物の向いている方向は広く空間をとりたいので、画面右側には多めにスペースを。人物の存在感を保ちつつ、背景の美しい風景も広く写すことができています。

⑤桟橋の船

印象的なオブジェクトとしては、湖畔にボートがありました。人物の足を写すことでストーリー性を持たせ、奥の風景を少し入れることでそこがどのような場所であるのか描写しています。

もう少し視点を落として背景の対岸を多めに写しても良かったかもしれません。

3:2のサイズのフレームを視界にイメージする

一つの風景の中からでも、切り取り方次第で様々な印象の写真を撮ることができます。

先ほどの作例のように、視界の中に写真と同じ3:2のフレームをイメージすることで撮ることのできる写真をイメージしやすくなります。

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カメラでより印象的に被写体を撮るための工夫

簡単ないくつかのテクニックを知っているだけで、撮れる写真のクオリティや説得力が増します。

少しの工夫ができるようになるだけで、自分が伝えたいことや残したかった光景をより効果的に撮ることができるようになります。

作例を例にいくつかの簡単なテクニックを説明していきます。

視点を変える

カメラで写真を撮るとき、何も意識しなければ立った状態からシャッターを切ってしまいがちになっていないでしょうか。

立った状態の視点からの写真は、私たちが常日頃最も長い時間目にしている光景であり、簡単に言ってしまえば代わり映えしない写真になりやすいのです。

被写体ごとに最適な視点場(ビュースポット)を探すことで、被写体を映えさせる最適な写し方を見つけることができます。

ヒマワリの写真を例に解説していきます。

まずこちらは立った状態から近くのヒマワリを撮影したもの。

ヒマワリと背景にある車や山並みがかぶってしまっています。

アングルを変えることで余計な背景を省き、より印象的に写してみましょう。

 

こちらはローアングルから撮ったもの。

夏らしい空だけを背景にしてドラマチックに仕上げています。

 

こちらはハイアングルから撮ったもの。

前景から背景までをヒマワリで埋め尽くすことによって明るくリズム感のある写真になっています。

しゃがんだり背伸びしたり、高台に立ってみたりしていろんな角度から被写体を観察してみましょう。

レンズの焦点距離を変えることでもさらに最適な構図に追い込むことができます。

主役だけでなく背景・前景も工夫する

被写体に対する最適な視点を見つけたらさらに一工夫。

被写体の背景や前景にもこだわってみましょう。

その空間には主役となる被写体(主題)以外にも、その被写体を引き立ててくれる別の被写体(副題)もあるはずです。

アジサイの写真を例に見ていきましょう。

こちらはアジサイ単体の写真。

単体で撮った方がしっくりくる場合も多くありますが、もう一つ要素を入れることでより見ごたえのある絵にもなります。

お寺で撮影した紫陽花。背景に向こう側にあるお堂の立派な瓦屋根を副題として入れることで凛とした雰囲気を出し、そこがどのような場所であるのか伝えられています。

 

こちらは紫陽花と苔むした石階段を撮影。階段の縁を対角線状に配置することで紫陽花と階段を対称的なバランスに描いています。

 

こちらは紫陽花をボカして石仏の前景として描写しています。

最初は紫陽花にピントを合わせて撮ったのですが、石仏の方が被写体としてのインパクトがあったので紫陽花は石仏を彩る副題として写し込みました。

写したいと思ったもの一つだけを注視するのではなく、さらに周りに効果的な副題、前景や背景になる被写体がないかも注意してみましょう。

そのF値、最適? 意味のある場所、範囲にピントを合わせる

低いF値で撮影するほど、ふんわりとした写真になり、ピントの合った被写体を引き立たせることができます。

しかし、やたらと開放F値で撮影すると、どこにピントが来ているのかわからない写真にもなってしまいがちです。

こちらはF1.8で撮影した、市場に並んだ干物。ピント面は魚の実の部分に来ていますが、頭や尾の部分にまでピントは及んでおらずはっきりしない写りになってしまっています。

手前に並ぶ干物全体にピント面が及ぶようにF値を上げるか、意味のある場所…例えば値札などにピントを持って行ってもよかったかもしれません。

こちらの写真は最初開放F値であったF1.4で撮影したのですが、ピント面が浅すぎてラベルの文字の前後が大きくぼけてしまったためF値を2まで絞り込み、ラベルの部分の描写をはっきりとさせました。

意味のある場所や存在感がひときわある場所にピントは置くようにしましょう。

F値も、可能な場合は写したい場所はくっきりと描写されるまで絞るように心がけましょう。

注意

同じようにピントが合って撮った写真でも、開放のF値と数段絞ったF値ではピントの合っている場所の解像度(画質)が異なります。

何となく一番低いF値で撮ってしまいがちですが、とにかくボケを多くしなければならないときや、暗くてシャッタスピードを落としたくないときなど以外は開放F値で撮るのが本当に最適か一度考え直してみつつ撮ってみましょう。

一見何かわからないモノを撮る

くるっと巻いた犬のしっぽ。背景に花を入れることでポップな彩りもプラス。

一見何かわからないけど、よく見たら知っているものであったり、いつも見ているものを斬新な発想で写したりすることでユニークな写真が撮れます。アイデア・ひらめき勝負。

逆光やシルエットを活用する

高いコントラストが得られる逆光やシルエットは、印象的な写真に仕上げやすいです。

人物と朝日を重ね合わせ撮影。光線の存在感により視線を一気に人物の頭周辺に集めます。

人物・山門のシルエットと背景に富士山。シルエットはシンプルでありながら印象深い写真を作りやすくなります。

トンネルの奥から迫りくる電車。逆光によりコンクリートの質感が怪しげに浮かび上がります。

光源の状態やシルエットの出来方をよく見てシンプルにフレーミングしてみましょう。

構図に関するより広い知識やテクニックはこちらの記事にて紹介しています。

写真をより面白くする!カメラの基本構図パターン10選

スナップ写真を楽しむのにオススメなレンズの種類

標準~中望遠がスナップには一番オススメ

広すぎず、狭すぎない標準から中望遠(50~135㎜)くらいの画角がもっともスナップを楽しく撮れるのではないでしょうか。

これらの画角は、被写体を選択して自分の好きな世界観を表現しやすいと感じます。

F値が低く手軽に手に入れられる50㎜単焦点があることもオススメな理由の一つです。

どんなレンズが良いの?一眼レフカメラのレンズの種類と選び方を解説!

「ただの写真」を卒業しよう。ストーリー性の見出しかた・作り方

写真にストーリー性を持たせる。

意図してやろうとするとなかなかコツがつかめず難しいことです。被写体を取り囲む状況や、被写体がどんな動きをするかを、写真一枚で説明するイメージで撮影してみましょう。

こちらは長野県諏訪市にある万治の石仏。これ自体が有名で存在感のある被写体なので、ローアングルがら重厚感ある雰囲気に撮影。

しかし、単調でストーリー性に欠けるため、別のアングルでも撮影してみました。

 

石仏を取り囲む田んぼで稲を干していたので、それらの風景を一気に取り込んでみました。

一枚目の写真では分からなかった、石仏はどれくらいの大きさなのか、石仏がどのような場所にあるのか、季節はいつ頃なのか、などの状況が分かるようになりました。

 

さらにストーリー性を見出すことができるのは、人物などの動きが想像できる写真です。

足元から続く階段。ピントは撮影者の視点と同じ、数段先の段に合わせてあります。

このような工夫で、これから階段を下ろうとする撮影者の意志を表現できるのです。

注意

人物が入ると良い雰囲気になるスナップ写真ですが、撮った写真をSNSやフォトコンテストで利用する際は、肖像権の侵害などに十分気を付けましょう。

どうしても知らない人を撮りたくなった場合などは、写真を撮るという断りの声をかけられたらいいかもしれません。

オススメのの描写テクニック5選!

対比構図

存在感を持つ二つの被写体を良いバランスで配置し、ストーリー性を生み出させます。

対比する二つの被写体が画面内のベストな位置に写るように自分が動いて構図を工夫しましょう。

雑多の表現

密集したモノや建物などを画面いっぱいに写し込みます。

望遠気味の画角を用いると圧縮効果によってそのような空間を表現しやすいです。

広角&寄って撮影

主題に寄ることで存在感を残しつつ、その奥に広がる風景を広く写すことができます。

広く写せる画角こそ、被写体に寄ることで全体に強い印象を得られます。

印象的なシンメトリーを正中から撮る

寺社仏閣など建築物を真正面からど真ん中を狙って撮ることで、幾何学的なイメージの写真を撮れることがあります。

被写体の真正面を探すのが意外と難しいですが、きっちりと水平垂直左右のバランスを極めれば違和感のない綺麗なバランスの写真になります。

 スポットライト光の活用

どこかから漏れ出した光が当たったり、被写体の一部に光がスポットライトのように当たった状態。

光の当たっている部分に視線を集中させられます。

コントラストはスマホのアプリなどでも簡単に調整できるので、後からそういった雰囲気を作ってみても面白いかもしれません。

まとめ

手軽にシャッターを押せるのもスナップ写真の良いところですが、一度立ち止まって被写体をどうやったらベストな状態で撮れるか答えを出してみてから撮ることで、撮れる写真の質が全く異なってきます。

自分を含め、見た人に何かを伝えられるような写真を目指すことで、撮影するときの満足度もより充実したものになるでしょう。

是非今回紹介したテクニックを活かして、自分だけの素敵な世界をスナップ写真で表現してみてください。

大切なのは、自分の好きなものを好きな気持ちと一緒に撮ることです。

 

もしよろしければ、僕が好きのもの・場所の写真をまとめた記事もご覧ください。

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