往年の名機「Nikon D300s」の凄さをレビューするよ!

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2009年8月に発売されたNikon D300s。当時、APS-Cサイズの一眼レフカメラとしての最上位機種として登場した、いわゆるフラグシップ機です

発売から9年弱。今でこそNikon APS-Cサイズのフラグシップの座をD500に譲っていますが、それでもD300sは「名機」と呼ばれ続けています。なぜ「名機」なのか、いかに「名機」なのでしょうか。

私が実際に手にし、2年間使ってきて分かった、往年の名機Nikon D300sの凄みを語ろうと思います。

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なぜ、あえてD300sを選ぶのか

近年のデジタル・映像技術の進歩はめざましく、カメラメーカーからは1年、いや半年ごとに新機種が発表されています。新機種では高感度性能や画質の向上が顕著で、文字通りデジタルカメラ業界は日進月歩であります。

もちろんNikon D300sは型落ちに型落ちを重ねた旧製品です。

ご多分に漏れず、高感度耐性やデータ処理に関しては現行機種に遅れをとっています

D300sはカメラとしての上質さ、格好良さ

しかし、Nikon D300sはフラグシップ機としての、大人の余裕のようなものがあります。いささか感覚的な表現で恐縮ですが、他のカメラボディにはない、強くソソられる魅力を備えているのです。

私は、エントリー機であるNikon D60からのステップアップとして本機を購入しました。Nikon D7200に代表される当時の最新機種のスペックの高さに惹かれるものがあったのも確かです。

しかし、フラグシップ機への憧れからD300sを手にした途端、このカメラの虜になってしまいました。後悔はみじんもありません、どころか、このカメラに出会えて幸せだとすら思わせてくれます。

D300sはカメラマンの気分を盛り上げる相棒

フラグシップ機を相棒にしているというその所有感、心地よいシャッター音、「携帯性なにそれ・・・?」といわんばかりの重く大きなボディ。

(でっかいレンズ付きの300Sを持ったor肩から提げた画像 大きさが分かるように、かつ格好良く)

D300sは、まさに質実剛健・無骨なNikonを体現したカメラです。そのフィーリングだけで”買い”なのです。

(かっこいい300sの写真 一眼で撮ってあげたい)

聡明な読者の皆さんならもうお分かりでしょう、私自身がNikon D300sの大ファンなんです。

フィーリングだけで”買い”だ といわれてもいささか説得力に欠けますね。まず、Nikon D300sの概観とスペックを紹介します。

D300sの外観

写真:D300S

引用:https://www.nikon.co.jp

フラグシップらしく、使いやすく比較的合理的なボタン配置になっています。

同時期に発売されたプロ機D3sのボタン配置と非常に似通っており、D300sがプロフェッショナルのサブ機として活躍することを踏まえた設計になっています。

Nikon D300sのスペック

プロフェッショナルを魅了する機動力。(NikonD300s HPより)

NikonによるD300sのキャッチコピー。これにすべてが凝縮されているといえます。

イメージセンサーはAPS-Cサイズ、Nikon流にいえばDXシリーズ一眼レフカメラ

有効画素数1230万画素。記録メディアはSD+CFのダブルスロット。ファインダー視野率は当然上下左右100%。

シャッタースピード1/800秒の超高速シャッターが可能で、連写性能はボディ単体で7コマ/秒を誇ります。

常用ISO感度ISO 200~3200。ISO6400までの拡張が可能です((後述)ノイズの酷さからISO2000以上は使いづらいのが本音…(※個人の感想です))。

ボディ単体での大きさは約147×114×74 mm。同じくハイアマチュア向けのD7500より一回り大きいです。割と手の大きい筆者にはよくフィットします。男性はまだしも、女性にはいささか大きいサイズ感でしょう。

スペック上の質量は約840 g(バッテリー本体、メモリーカード、ボディーキャップ、液晶モニターカバーを除く)とありますが、ここで除かれているもののほとんどを付けねばカメラは動きませんので…(笑)

つまり、カメラ本体で実質約1000gといったところですね。正直重いです。撮れ高のよくない日には文鎮のように重く感じること間違いなし。

さらに詳細なスペックをお探しのかたは、Nikon D300sのHPを参照ください。

さて、ようやく我がNIikon D300sのスペック的推しポイントを紹介できる!

D300sの基本性能は未だに超一流!

フラグシップ機たるシャッター周り

シャッタースピード最高1/8000秒

現行のフルサイズ一眼Nikon D750をはじめシャッタースピード最高1/4000秒の機種が多いなか、D300sは最高1/8000秒。これが一流のフラグシップ水準です。明るい環境下で絞りを開いた写真が撮りたい…なんてことありますよね。この、シャッタースピード一段の差があなたの助けになる日が来ること間違いなし!

(せっかくなら1/8000で撮った作例)

シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!

一級品のAF性能

オートフォーカス(AF)も高速で正確。フラグシップ機には他の機種とは別格なAFアルゴリズムや制御系が搭載されているといわれているんです。

とはいえビハインドは約10年。さすがに現行のフラグシップ機(Nikon D5やNikon D500、Canon EOS-1D X Mark IIなど)には及びませんが、走り回る子供や不規則な動きの多い野鳥などにも(そこそこに…)対応できます!

もうピンボケとはサヨナラ!! 一眼レフ・ミラーレスのAF(オートフォーカス)機能と設定まとめました

一瞬が勝負!さすがの高速連写

Nikon D300sはボディ単体で7コマ/秒の高速連写、別売りのアクセサリーをつけると8コマ/秒もの高速連写が可能になります!

動く被写体を相手に、この高速連写は欠かせないものとなるでしょう。日々成長していくお子さんはめまぐるしく様々な表情を見せてくれます。

高速連写を活かし、数打ちゃ当たるの精神でも構いません、愛くるしいお子さんの表情を収めてください!もちろん、小鳥の一挙一動も思いのままに切り取れます。

(高速連写で撮った連続写真的なの。ベストな一枚を撮り逃さない!みたいな感じで)

とっても素早く、不規則に飛び回る手のひらサイズの小鳥(メジロ)も、ストレスフリーなAFと高速連写でその姿を収められた。(Nikon D300s + AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ:換算300mm f2.8 ISO400 1/1000秒で撮影)

画素数は控えめ=必要十分だということ。

Nikon D300sは有効画素数1230万画素。これは現行の一眼レフ機と比較してかなり控えめな数字です。

現APS-Cサイズのフラグシップ機D500は2088万画素、最新エントリー機のD3400は2416万画素、高画素がウリのD850に至ってはなんと4575万画素にもなる。

これらの半分、もしくは1/4程度の画素数しかもたないD300sですが、これは欠点ではありません。私は必要十分な数字だと考えています。

画素数が控えめだということは、写真1枚1枚のデータ量が他機種にくらべ圧倒的に小さく、メモリーカードやパソコンにかける負荷が少ないことは明らかですね。

デジタルカメラで枚数多く撮るこの時代、ましてやこの高速連写機ではデータとしてのストレスが小さいのはメリットになります。そうした面で、超高画素機こそ至高とは一概に言えないのです。

もちろん、1230万画素でもD300sの画質はバッチリ!

隅までくっきり、はっきり撮影できているのがおわかり頂けるだろう。スマートフォンなどとの差は、写真の隅に現われやすい。(Nikon D300s + SIGMA 10-20mm f3.5 EX DC HSM:換算18mm f8 ISO200で撮影 C-PLフィルター使用)

写真プリントで、W4切サイズ(A4版より一回り大きいサイズ)にまで大きく印刷してもアラのない絵づくりが出来ます。

もちろん、TwitterやInstagramなどSNSにアップするときも一眼らしい高画質。スマートフォンでの写真とはレベルの違う写真で注目を集められることでしょう。

1230万画素は、初心者の方からハイアマチュアの方までが使う範囲であれば、十分実用的でかつ、現実的な画素数だといえるのです。

一眼レフならではの、前後をぼかして被写体を浮き上がらせることもお手の物。しっとりとした雰囲気に仕上がった。(Nikon D300s + NIKKOR 70-200mm f2.8G:換算300mm f2.8 ISO640で撮影)

とはいえ搭載されている技術は約10年前のもの。さすがに現行機に遅れをとる部分も認めざるを得ないのが現実です。

デジタル・画像処理面の古さは否めない

高感度耐性の圧倒的弱さ

正直、高感度ノイズは非常にはっきりと現われてきます。それもISO800くらいから目に付くほどに。

私の感覚では、ISO800⇒まぁ使い物になるかな…。 ISO1600⇒許容範囲ぎりぎり。ISO2000~⇒緊急用。言いたくはないが使い物にならない…。

といったところでしょうか。(※高感度でのノイズ感覚については個人差がありますので参考まで。)

高感度耐性はデジタル技術の進展に伴い、急速に進歩してきた分野の代表です。いまやエントリー機でさえISO1600は普通にノイズレスで美しく、ISO数万まで高く設定しても写真としてモノに出来る場合が多いですね。

中にはISO3280000を実現させたカメラも登場していることを考えると、D300sの高感度性能は彼らの足下にも及びません。

ISO1600で撮影した春の天の川。(Nikon D300s + SIGMA 35mm f1.4 Art:換算53mm f1.8 ISO1600で撮影 ソフトフィルター使用)

中心付近を拡大してみると…

上下2枚とも、撮影時および撮影後のノイズ処理はなし。

ざらっとしたアイツがここぞとばかりに、猛威を振るっているのが見てとれます。我ながら、これは酷い。

正直、本機の高感度性能には期待できません。どうか期待しないで頂きたい。

ぜひ、明るいレンズをつけてあげ、しっかりシャッタースピードを稼いでもらいたいものです。どうぞISO感度は普段よりずっと抑えめに…。

ジョンくん

了解であります!iso感度を控えめにすればいいんですね!!!

14bitRAWでは連写2.5コマ/秒に。もはや連写ではない。

Nikon D300sの大きな強みとして、秒間7コマの高速連写をとりあげてきました。しかし残念ながらそれはJPEG12bitRAWで記録の場合に限られます。

より高精細な14bitRAWで記録する場合には連写速度は2.5コマ/秒にまで急落する落とし穴。

小気味いい7コマ/秒のシャッター音に慣れたあとでは、2.5コマ/秒はさすがにもたつき、じれったい気持ちになります。これも、「一昔前のカメラ」のウィークポイントです。

暗所でのAF性能に難あり

カメラがオートフォーカスする際に、あまりに暗い部分やあまりに明るい部分には、ピントを合わせられないことがあります。これもまた、デジタル技術の発展で進化を遂げてきた分野の一つです。

つまり、間もなく発売から10年がたとうとしているD300sでは、そうした過度に暗い/明るい部分にピントを合わせづらいと感じることがあります。特に暗い部分でのAF性能が怪しい

これはカメラスペックでも明らかで、オートフォーカスの検出範囲(動作範囲)がD300sでは-1~+19EVなのに対し、後継機D500では-4~+20EVにまで改善されている。(ここでのEVとは露出値と呼ばれ、明るさを示す単位。値が大きいほど明るく、小さいほど暗い条件を表します。)

D500の-4EVとは、薄暗い月の光程度でも十分AFが可能な性能だといい、これはD300sには到底届かないものだ。

D300sは、月の明かりはおろか、街灯程度の明るさがあってもAFが迷うことが多く、約10年の遅れを感じずにはいられない点です。

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Nikon D300sでの作例

春の花々の中を駆け抜ける電車。手前の低い位置に菜の花を玉ボケで加え、その上に高速で走る車両を捉えた。D300sの高速連写に助けられ、換算300mmの狭い構図をモノにできた。(Nikon D300s + NIKKOR 70-200mm f2.8G VRⅡ:換算300mm トリミングあり f4 1/4000秒 ISO400で撮影 )

ヒヨドリが菜の花のつぼみを咥える瞬間を収めた。ファインダーを覗きながら7コマ/秒の連写を切り、撮れた!と思える瞬間を得られるのは幸せなことだ。(Nikon D300s + NIKKOR 70-200mm f2.8G VRⅡ:換算300mm トリミングあり f2.8 1/1500秒 ISO400で撮影 )

静かな夜の港に停泊する大型客船。高速連写機とはいえど、しっかり絞って落ち着いた一枚も撮れる。やや長秒時ノイズが気になるところか。(Nikon D300s + NIKKOR 70-200mm f2.8G VRⅡ:換算150mm トリミングあり f8 5秒 ISO100で撮影 )

春の風景を色鮮やかに表現できた。「風景には高画素機」な現代だが、12MPの本機でも丁寧に撮れば精細な描写をみせてくれる。とはいえ、現行46MPと同等の画質を求めるのはお門違いで、また、D300sには酷な仕事だ。(Nikon D300s + NIKKOR 70-200mm f2.8G VRⅡ:換算150mm  f5.6 1/200秒 ISO400で撮影 )

 実は、価格がこなれまくっているということ

さて、現実的な話であります。そんな魅力的なD300sはいったいいくらで手に入るのか!

Nikon D300sの中古市場はいま!

ズバリ!4万円でおつりが来ます!!

これを高いと思うか、安いと思うかは皆さんにお任せいたしますが、わたくしからいくつかヒントを…。

①D300sの後継機にあたるD500は、新品で約18万円~( Amazon )、中古で約14万円~17万円。(2018年4月20日現在)  ⇒つまり、D300sも発売当初は20万円前後だったということ。

②最新型(2016年9月発売)のエントリー機D3400は、新品で4万5千円~Amazon)である。

⇒初心者の方向けのお手軽~な一眼でも、そこそこのお値段はする。

そこでだ、満を持してわれらがフラグシップD300sである。

人気機種だけあっていずれも中古品になりますが、市場では3万円台で流通しています。

やや古くても、連写やAFなどはピカイチの性能を備えた、所有感も満たされるフラグシップ機が!です!

…これ以上語るのは野暮ってものですね。

こちらをご覧頂ければ分かるように、さんざん連呼して参りました「名機」なだけに、市場に出回る中古品の数も底をつきそうになってきました。

日に日に流通数が減り、コレクターやカメラ愛好家、また私をはじめとしたD300sファンの手元へ残っている状況です。どうぞ後悔のなきよう…!

最新の中古価格は以下を参考にしてみましょう。

マップカメラ楽天市場店

もう、”型落ち”とは呼ばない。呼ばせない。

成熟したカメラNikon D300sをあなたの手に。

D300sを愛してやまない筆者が、本機の魅力、貫禄についてお伝えして参りました。

どうしても感覚的な、感情的な表現が多くなってしまったこと、どうかご容赦ください。冒頭でもお伝えしたとおり、デジタルカメラ・映像産業は日進月歩。

たとえフラグシップ機といえども、現行機種に(ISO感度など)デジタルな面では太刀打ちできません。これは認めざるを得ないでしょう。

しかし、カメラとしての存在感やオーラは、本機に勝るものはありません。

メーカーの意地と、フラグシップ機としてのプライドと貫禄を備えた1台。

玄人のあなたに、あえていま、手にしていただきたい。手にすれば分かる。

ものづくりのNikonを味わうカメラ Nikon D300s 

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